top of page

もうひとつの物語

やなわけ.png

自分を軽蔑しながらの子育て

「わたし頭がおかしいんじゃないか」と

息子を叩いて泣きわめき、

Features

2007年、息子誕生。​

根性で陣痛を逃しすぎてしまい、30時間かかってやっと生まれる。

もともと結婚願望もなく子どもも苦手だったため、育てられるか不安でしかない。

誕生

kao2.png

だんだんまとめて寝るようになると言われてたのに、1歳半ごろまで3時間以上寝てくれない。手作り離乳食、布おむつなど「べきねば」で自分をしばる日々。

産後うつなのかわからないけど涙も止まらず。

ママ友付き合いも余計疲れ、児童館からも足が遠のく。

可愛いとも子育てが楽しいとも思えず、ただただ苦しい。

​1歳ごろ

kao2.png

保育園を嫌がる息子に元夫が「お前マザコンだな」と言い放ち、殺意を覚える。

息子が体調を崩しても電話口で「お大事に」と言うだけの元夫に、「私がいちいち気にしすぎなのかもしれない」と自分のせいにする。

​3歳ごろ

息子.png

小学校3年生のころ、息子が友達の言葉や反応を異常に気にし始める。

担任の先生の大声に怯えるなど、精神的に不安定になってきたのがこの頃。

ちょうど離婚前後だったため、「私のせいなんじゃないか」と常に考えていた。

9歳

息子.png
25838340_s_edited.png

離婚後は私が7時前に出勤していたため、そのあと学校に行く息子に家の戸締りをまかせていた。

このころ、学校から「家の鍵をかけたか不安だから帰りたい、と息子さんが言ってます。帰らせてもいいですか?」と頻繁に連絡が来る。

だんだん、息子がめまいや頭痛、腹痛で起きられないことが増える。

遅れての登校は保護者同伴しか許されなかったため、朝起きられなければ休み確定。

家ではお昼のお弁当も食べ忘れ、暗くなっても電気をつけず、夏は汗だくでひたすらゲームや動画三昧。

家でずるずると時間を過ごす息子を見るに耐えかね、毎日暴言を吐いたり叩いたり。

このままどこかへ行ったら楽になれるかもと、息子に「お母さん出てく」と脅すことも。

​11歳

息子.png
5141172_s_edited.png

ある晩、ストレスと過労で私が緊急入院。さすがにこのままではまずいと自覚。

 

家に引きこもりっぱなしの息子が人と関われる居場所を探すが、「俺は居場所が欲しいわけじゃない。友達との関係をどうにかしたいだけだから」と言われ、絶望。

このころ、NVCを教えてくれた友人がカードを使いながら息子と話をしてくれ、友人から「息子くん、「このカードで気持ちを整理するやり方に希望を感じる」って教えてくれたよ」とフィードバックがある。

また、息子の朝のめまいや腹痛などは漢方を飲んで少しずつ改善してくる。

​11歳

息子.png

息子は時々教室に行くも「誰も俺を気にかけてくれない」と気持ちが塞ぎ、過呼吸を起こすことも。

このころ、同僚から仕事終わりにフットサルに誘われ、息子も無理やり参加させる。運動不足の大人たちがふざけ倒しながらボールを転がす様に、「こんな変な大人がいるんだ」と息子の目が久しぶりに生き生きする。

​12歳

息子.png

私がNVCを意識する中で、息子と一緒に「気持ち」や「ニーズ」について話す機会が少しずつではあるが増えていく。

そのおかげか、学校へは別室登校できる日も出てくるが、友達とのことでは時々悩むこともあった。

でも、それでも卒業式には友達と肩を組んで写真を撮れるまでに。

12歳

息子.png
83482_s_edited.png

中学には行けるようになったものの、中1の時には「卒業する頃には辛い人生を変えたい」と言ったり、中2の時には毎晩眠れず「心療内科で薬飲まないとダメかなあ…」と本人から言ってくるなど、順調に見える中にも心の揺れは続いていた。

その息子を見守りながら私は、以前のようにイライラしたり不安を感じることはなく、何かあれば「私がカウンセリングしよう」くらいに構えることも出来ていた。

そして以前のように「そうなんだね」と言うだけの聴き方ではなく、息子の気持ちや大事にしたいことを代弁したり、私が心配していることや不安なことも隠さず伝えた。

​14歳

息子.png

中学卒業目前。

 

息子は、”中学3年間を終えて学んだこと”というプリントに「仲間も友達も本気で出来ないと思ってたけど、自分次第でどうにでもなることが分かった」と書いていた。

 

そしてさらに、こんな一言も。

「僕には、夢がたくさんあります。小さなものも入れたら、100個くらい。しかもそれはどれも、世の中に無くても困らないようなことなんです。だから、もし有ったらプラスにしかならないということです。」

 

自分とのコミュニケーションも人とのコミュニケーションも怖くないと、心の底から腑に落ちたのかもしれない。

​15歳

息子.png

無事に高校へ進学。

軽音部に所属、学級委員をしたりと楽しく学校生活を楽しんでいたが…

 

高1の3月、顧問から体罰を受ける。

ショックで食事が取れなくなり1ヶ月で5キロ減、「退学したい」と話す息子の話を毎晩、何時間もかけて共感的に聴き続ける。

 

NVCに出会うまでの私は、ついアドバイスをしたり励ましたりと「ただ聴く」がとても難しかったが、この時もひたすら「息子の気持ちや、息子がいま必要としていることはなんだろう?」と、息子の内面に意識を向け続けることができた。

​16歳

息子.png

その後、学校側からは大きな動きはなく現在も弁護士を通してやり取りが続いているものの、息子は学校に復帰。

友達からの風評被害やPTSDに苦しみつつも、音楽活動や勉強への意欲から学校生活を送っている。

そして息子からは、​「あの時お母さんに話を聞いてもらえて本当によかった。お母さんの強みは”受け入れる力がある”ことなんだね」と言われる。

​17歳

息子.png
2221752_s_edited.png

現在、息子とはヘアサロンに一緒に行ったり、その後カフェでランチを食べたり。

年に数回、LIVEや旅行に一緒に行くなど…

小学生の時より高校生になった今の方がお互い心地よく、安心できる時間空間を共有できている。

ちなみに息子は一緒に出掛けるとスマホを見ずにお喋りしてくれるし、自然と荷物を持ってくれたり横も歩いてくれる。

​今日あったこと、今興味のあること、なんでも話をしてくれるのがとても楽しい。

また、普段も息子から悩み事を相談されたり、こちらからサポートをお願いすると快く手伝ってくれたりと、お互いに頼れる関係性に。

 

NVCに出会う前とは違い、冗談を言って笑ったり、「ありがとう」を言うことも格段に増えている。​​

最近

息子.png
bottom of page